ヤマギシズム社会実顕地について

はじめに

ヤマギシ会は、滋賀県の農家に生まれた故山岸巳代蔵(1901~1961)が昭和28年に
人間変革を基礎にした理想社会建設の思想体系を練り、それを応用した独特の養鶏法を進めるうちに、
これに共鳴して集まった人々で結成されました。


山岸巳代蔵全集

2004年5月4日、故山岸巳代蔵の43回目の命日を期して、山岸巳代蔵全集・第一巻が刊行されました。

山岸巳代蔵全集ホームページ

人生は真の幸福であることが真理であり、真に幸福なる人生を営み得る社会をヤマギシズム社会としているヤマギシ会会員の社会観の一端は、

「如何に物質が豊富に自由に得られても、心の世界に真に充ち足りたものがなければ、絶対に幸福はあり得ないのです。またそうした心理的条件を欠いて組織した社会は、真の理想社会ではありません」

という、ヤマギシズムの提唱者・山岸巳代蔵の弁によっても明らかである。

 ここでヤマギシズムとは一口にいうと、すべてに本当、すなわち真なる理は正しいと思う考え方で、何事を考えるにも行うにも、真理に即応しようとする思想である。

 物事を観、聴き、触れ、究める場合でも、そのものをそのまま信じて正しいとキメつけないで、「真ものに照らした場合、はたしてどうだろうか」で、真理主義とでも、真理即応主義とでも、合真理主義といってもよいようでもあり、またそういう言葉にすることによって、人により解釈に誤りがおこる。真理は正しい。正しいのは真理であり、本当だと思うが、人によって解釈が異なり、誤りやすくなる。

 人間の考えで真理だと思っていることでも、不完全な人間の考えのことだから、絶対間違いないなどと言い切れるものでなく、どこまでも真なるものを求めて、そうかどうか分からないものとして究明していこうとする、固定したものを持たない思想であるとしている。

 そうしたヤマギシズムに賛同するヤマギシ会会員が各地に散在して、それぞれの立場でヤマギシ会活動をやりながら、みずからの実生活にもヤマギシズムを実践している。

 その中の有志が数家族以上集まってヤマギシズム生活、すなわち無所有共用の一体生活を営んでいる。小さいのは数家族、大きいのは数百人と構成規模はいろいろであるが、全国各地、諸外国に点在している。

 これが本題のヤマギシズム社会実顕地である。